2016年11月23日(水)〜2017年01月29日(日)
2016年11月23日(水)〜2017年01月29日(日)
日本における戦国時代といえば、下克上の言葉に代表されるように、室町幕府の衰退に伴って各地で群雄が割拠し、相次ぐ戦乱によって国の秩序が大きく乱れた時代だとイメージされてきました。ところが近年では、研究の進展により、このようなイメージが見直されるようになっています。
幕府の衰退により政治的な中央集権が次第に薄れ、上杉謙信、武田信玄、毛利元就、織田信長など有力な大名たちはそれぞれの地方で、自らの領国の経営に力を入れるようになります。その過程で、絵画や建築、そして茶の湯など、京都で成熟した文化は列島各地へもたらされ、新たな地域文化として再生産されました。戦国時代は列島規模で各地に大きな文化的、経済的な実りをもたらした時代ということができます。
本展では、戦国時代に列島の各地で生成された歴史資料や美術工芸品を一堂に展示し、多様な広がりを見せる時代を叙述しつつ、逞しく躍動した人々の姿を追います。新たな戦国時代像を描くこの展覧会が、様々な困難に直面する私たちに対して、豊かな未来を創造する活力となることを願っています。
①100年におよぶ戦国時代を網羅する、歴史ファン必見の展覧会!
日本における戦国時代は、享徳3年(1454)に関東で始まった「享徳の乱」、応仁元年(1467)に京都で勃発した「応仁・文明の乱」をきっかけに始まります。そして天正元年(1573)の織田信長による将軍・足利義昭追放の頃を安土桃山時代の始まりとすることから、教科書などではこの頃を戦国時代の終わりとしています。本展は、この100年あまりに及ぶ時代を網羅的に紹介するこれまでにない展覧会です。
②北条早雲、毛利元就、上杉謙信、織田信長、そして狩野派絵師ら、時代を生きた人々の「夢」に迫る。
列島各地で台頭した個性際立つ戦国武将たち、そして時の権力者たちのために作品を描き続けた初期の狩野派絵師や様々な文化人など、戦国時代には、自らの夢を追い求めた人々が数多く存在します。本展では様々な資料を元に、激動の時代を逞しく生きた人々の「夢」が何であったかを追い求めます。
③全国各地の貴重な歴史資料、美術工芸品を一堂に展示。
室町幕府の衰退は、列島各地で有力大名の領国強化を加速させました。その中で、絵画や茶の湯など、京都で成熟した文化が各地へもたらされ、新たな地域文化として再生産されました。本展では、日本全国に伝わる貴重な歴史資料や美術工芸品を一堂に展示。戦国時代が文化的、経済的に実り多き時代であったことを叙述します。
会期 |
2016年11月23日(水・祝)~2017年1月29日(日) |
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会場 | 東京都江戸東京博物館 1階特別展示室 (東京都墨田区横網1-4-1) 電話番号:03-3626-9974(代表)
・JR 総武線「両国」駅西口、徒歩3分 |
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開館時間 |
午前9時30分~午後5時30分 |
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休館日 | 毎週月曜日 (ただし、2017年1月2日・9日・16日は開館) 年末年始(2016年12月26日(月)~2017年1月1日(日)) |
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主催 |
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、読売新聞社、日本テレビ放送網、BS日テレ |
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協賛 |
日本写真印刷 |
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観覧料 |
※( )内は20名以上の団体料金。
※前売券は8月上旬から販売予定。
※特別展・常設展共通券は、東京都江戸東京博物館のみで販売。
※会期中は当日料金で販売。
※次の場合は観覧料が無料です。未就学児童。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。
※高・大学・専門学校生の方は学生証を、65歳以上の方は年齢を証明するもの(健康保険証、運転免許証など)のご提示をお願いいたします。
※毎月第3水曜日(シルバーデー)は、65歳以上の方は観覧料が無料です。年齢を証明できるものをお持ちください |
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チケット販売 |
江戸東京博物館、主要プレイガイド(予定) |
■展示資料目録
展示リストは、こちらからダウンロードできます。
戦国時代。武将たちはどのように戦っていたのか。戦場の光景はどのようなものであったのだろうか。
武器を交わすことだけが戦場ではない。軍旗がはためく陣中には兵士の生活があった。また、戦闘の指揮には法螺貝や軍鐘が用いられ、突き進む軍勢の雄叫びや地響きとともにさまざまな音が轟いていたであろう。戦場の静寂と喧騒を伝える、これらの戦道具からは合戦のリアリティを、より豊かに感じることができる。
《米沢本 川中島合戦図屏風》
米沢市上杉博物館蔵
戦国一の大激戦川中島。逃げる信玄、追う謙信。川中の一騎打ち。
〈川中島の合戦〉
上杉謙信軍と武田信玄軍が北信濃の支配権を巡り対決。天文22年(1553から永禄7年(1564)まで第5次にわたって繰り広げられ、中でも永禄4年(1561)の第4次合戦は戦国時代最大の死闘として語り継がれている。
本屏風は、その第4次合戦を描いたものとされ、左隻中央には武田信玄と上杉謙信が川の中に入って一騎打ちする場面が大迫力で描かれている。
《姉川合戦図屏風》
江戸時代・天保8年(1837) 福井県立歴史博物館蔵
徳川軍と朝倉軍による熾烈な戦いの模様が描かれた合戦図屏風。
〈姉川の合戦〉
元亀元年(1570)夏、天下統一を目指す織田信長・徳川家康軍が浅井長政・朝倉義景軍と北近江で対決。徳川軍の奮戦により、織田・徳川の連合軍が勝利した。その後、浅井・朝倉の勢力は衰退。やがて滅亡を迎えることとなった。
《芸州厳島御一戦之図》
山口県文書館蔵
毛利元就が陶晴賢を奇襲した厳島の合戦を語る図。
〈厳島合戦〉
天文20年(1551)に大内義隆を討ち、大内氏の実権を握っていた陶晴賢に対して、その傘下にあった毛利元就は反旗を翻す。弘治元年(1555)、毛利軍は村上水軍の援軍などもあり、厳島で陶軍を奇襲。勝利を収めた元就はこの戦をきっかけに勢力を拡大した。
戦国武将の名前を見たり、聞いたりしたとき、まず頭に浮かぶのはその顔ではないだろうか。私たちは教科書で見るような、広く知られた肖像画によって武将のイメージを形作っている。一方でそれとは異なる肖像画もあったりする。そのイメージは一つとは限らない。
武将のすがたは、そのゆかりの品々にも現れる。肖像画の伝わらない武将はいうまでもなく、時には肖像画をも超えて、それがその象徴になることもある。甲冑や武器はその代表であろう。それには外見だけではなく、武人としての理想や思考を見出すこともできる。
《秋田市指定有形文化財 黒塗紺糸威具足》
天文5年(1536) 秋田市佐竹史料館蔵
毛虫の意匠を前立とした佐竹義重の具足。
《泥足毘沙門天立像》
山形・法音寺蔵
上杉謙信とともに戦った伝説の毘沙門天。
《重要文化財 太刀 銘 安綱(鬼切)》
平安時代後期 京都・北野天満宮蔵
《短刀 銘 吉光 号五虎退》
個人蔵
正親町天皇から上杉謙信が拝領した粟田口派の名刀。五匹の虎を退けた由来がある。
《重要文化財 色々威腹巻 兜・大袖付》
室町時代 島根・佐太神社蔵
梶の葉の鍬形が目を引く、中国地方の雄・尼子経久所用と伝わる甲冑。
《織田信長像》
17世紀頃 京都・大雲院蔵
嫡子・信忠ゆかりの寺院に伝わる衣冠束帯姿の織田信長像。
特別展示
国宝「上杉家文書」の世界
国宝「上杉家文書」は、旧米沢藩主・上杉家に代々伝えられた古文書群で、2001年に武家文書としては初めて国宝に指定されました。日本の武家文書の様式や形態、機能などを研究する上で貴重な役割を果たしています。
織田信長や上杉謙信、徳川家康など戦国大名らの書状や起請文などを特別に展示。激動の戦国時代をたくましく生きた戦国大名たちのさまざまな攻防、そして息遣いが伝わってきます。
応仁・文明の乱などの大乱を経て、列島各地には様々な権力が生まれ、京都の政治的な位置付けは大きく後退した。しかし、戦乱の世にあっても、京都で蓄積された美術品や長い時間をかけて整えられた制度・秩序は、なおも列島各地に影響を与えたのである。
狩野派が幕府や有力寺院のもとで多種多様な絵画作品を生み出すのもこの時代からである。これらの美術品は、各地の有力者に譲られ、それぞれの地域であらたな役割を担った。戦国時代に至っても、京都で生みだされた秩序や文化は、列島を一つに結んでいた。
《重要文化財 四季花鳥図屏風》
狩野元信筆 室町時代・天文18年(1549)
兵庫・白鶴美術館蔵
狩野派の大成者、狩野元信の手による和漢融合の金碧障壁画。
《重要文化財 北野天神縁起》
土佐光信筆 文亀3年(1503)京都・北野天満宮蔵
詞・三条西実隆、絵・土佐光信、戦国京都屈指のアーティストによるコラボレーション。
第4章 列島 往来する人と物
戦国時代のはじまりの頃、この時期は今につながる村や町が成立した時でもあった。村人、町人、商人などのあらゆる階層が活躍し、多くのひとびとが列島を旅するようになった。
国内の旅を支えた交通は、さらに列島の外へも通じていた。北方ではアイヌ社会との交流、西国では中国や朝鮮などとの通交、さらに南方からはのちの南蛮貿易につながる東南アジアとの交易である。また西国では色鮮やかなアジアからの陶磁器が室内を飾った。列島の縁辺では、周辺の異文化と接触があり、そこで得られたさまざまな商品が国内に流通することになった。
特別展「戦国時代展-A Century of Dreams-」(全3回)
展覧会に関連した講座を開催いたします。
展覧会の理解をより深めてくれる内容となっています。ぜひご参加ください。
【日時】1月6日(金)・13日(金)・20日(金)・27日(金) 全3回
14:00~15:30 ※1回ごとのお申込みも可能です。
※13日(金)の回は講師急病のため中止となりました。
※往復はがきによる事前申込制となります。
応募方法や受講料など詳細は、東京都江戸東京博物館ホームページおよび館内配布のチラシ等でご確認ください。
■プレスリリース、写真のご用命は、広報事務局までお願いいたします。
「戦国時代展」広報事務局(東京会場)(株式会社ウィンダム内)
TEL:03-6661-9662 FAX:03-3664-3833
E-mail: [email protected]